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9.
国はどえらいことを考えていた。それは「棄老山」計画であり老人を森林に棄て抹消することであった。その「棄老山」計画において老人の抹消方法の意見を国は俺に求めてきたのだ。俺は何を考えれば良いのか?俺に老人、人の命を抹消するそんな権限はそもそも無い。なのにどうして?毒物注射?毒ガス?そして老人の殺し合い?考えれば考えるほど俺の心は荒んでいった。
こんな事をすること?こんな事を考えることが俺自身の根底には無い。人として人間のあるべき姿は絶対違うと俺は思う。
すると俺の脳裏に赤ん坊の時捨てられた富士裾野の森林が描かれた。
「そうか俺が捨てられた場所と同じところだ…」
脳裏に描かれた情景は今でも俺を癒してくれて精霊が手招きしていた。
「そうだ行ってみよう森林に…」
富士裾野の森林に行けばきっと答えがあると?俺は国が作ろうとしている富士裾野の森林の施設場所に向かった。
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