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気候変動による酷暑ではあるがAIの進化によって人々は快適な暮らしを送っていた。 しかし、人を必要としなくなったこの国は余剰人員が溢れ財政は厳しくなりこのまま放置すれば財政破綻に陥いると予測されていた。 そこで国は老人への年金支給廃止とある施策を実施する事を目論んでいた。 年金支給の廃止は多くの老人から反発を受けたが国の収益を得る事なく出費が膨らみ国は年金支給廃止を強行した。 この国で生き残れる老人はしこたま貯金を持っている人以外は厳しい現実となっていた。 そして2ヶ月が過ぎた頃、年金が途絶えた老人が行動を起こした。それは日中の酷暑を避けるため地下鉄などの通路またはデパートなど冷房が完備されている施設に居座り酷暑を凌いでいたのだ… しかしそんな状況から国は風紀が乱れる事を避け機動隊を要請し居座る老人を排除したのであった。 すると、この酷暑から熱中症やらの病を患うが金も無く、まともに病院に通うことも出来なかった。そんな生活に耐えられなくなった老人は犯罪を犯し冷房完備三食付である刑務所に入る事を選択したのだ。 その様な事態が起こり国はある施策の実施を水面下で動いていた。 その施策は不可解な人道を無視した事である。老人を山に棄てる「棄老山」計画であった。 大昔、その村は食糧不足であり出来るだけ飢餓状態をさけるため老人を山に棄てる、楢山節考と言う映画にもなっていた。 楢山節考は70歳になると楢山まつりと言う風習により息子が老人である母親を山に棄てる物悲しストーリーとなっていた。
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