1人が本棚に入れています
本棚に追加
だけど、離婚して、それからまた離婚して、そして現在......。
場面が切り替わり、波の音がした。
そして巨大な油絵が目の前に出現した。
エーゼ夫人は全景を見たくて後ろに下がってみる。
白い波、青い海、白い家、青い空。
「これだわ、これが見たかったんだわ」
現在の夫と、思い描いているもの。
いつか住む海辺の家......。
「あたしは、間違ってなんかいなかった」
そうだ、いまの夫が好きだ、愛している。
遠回りになってしまうけど、いつかは海辺に住めるのだ。
夫は約束を破るような人ではない。
ただ待っていればいい。
「あたし、どうして冷めてしまってたんだろう」
きっと出張ばかりで置き去りにされて寂しかったのだ。
だけど優しい夫だ。
帰ってくると必ず土産を買ってきてくれる。
「どんな国に行っても、どんなにおいしいものを食べても、
君の作る手料理が絶品だよ」
そう言ってくれる。
最初のコメントを投稿しよう!