ホテルマエナでフカフカの眠りを!

3/18
前へ
/18ページ
次へ
「本日のお客様はエーゼ・ガーレ様。チェックインは午後の14時、 昼食、夕食、どちらも海鮮料理をリクエスト。 午後は観光、就寝は夜の21時、8時に起床でチェックアウトです。 よろしくおねがいいたします」 「はい!」 ティサナとシガが元気よく返事をして、客から記入されている数枚の アンケート用紙を受け取る。 ホテルマエナでは客にアンケートを書き込んでもらっている。 食事のリクエスト、それ以外には夢を見る為の『探り』だ。 『見たい夢は?』『好きな場所や者?』『苦手なものは?』 これらを書き込んだ筆跡や想いもシガは読み取る。 そうして見せる夢を決めていく。 それから客室へ行き、客室の掃除、備品の補充、ベッドメイキングをする。 グレーとベージュであしらわれた客室にダブルベッドが置かれている。 シガが両腕を高く上げると虹色の光が集まってきた。 そして呪文を唱える。 「眠れよ眠れ、極上の眠りと夢を提供いたします。 今宵の夢は、どんな夢?青く輝く海の夢。 広がる海原、さざめく波、きらめくしぶき、その身を投げて、 フカフカの眠りを、おやすみなさい、良い夢を」 虹色の光がベッドを覆って消えた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加