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「本日のお客様はエーゼ・ガーレ様。チェックインは午後の14時、
昼食、夕食、どちらも海鮮料理をリクエスト。
午後は観光、就寝は夜の21時、8時に起床でチェックアウトです。
よろしくおねがいいたします」
「はい!」
ティサナとシガが元気よく返事をして、客から記入されている数枚の
アンケート用紙を受け取る。
ホテルマエナでは客にアンケートを書き込んでもらっている。
食事のリクエスト、それ以外には夢を見る為の『探り』だ。
『見たい夢は?』『好きな場所や者?』『苦手なものは?』
これらを書き込んだ筆跡や想いもシガは読み取る。
そうして見せる夢を決めていく。
それから客室へ行き、客室の掃除、備品の補充、ベッドメイキングをする。
グレーとベージュであしらわれた客室にダブルベッドが置かれている。
シガが両腕を高く上げると虹色の光が集まってきた。
そして呪文を唱える。
「眠れよ眠れ、極上の眠りと夢を提供いたします。
今宵の夢は、どんな夢?青く輝く海の夢。
広がる海原、さざめく波、きらめくしぶき、その身を投げて、
フカフカの眠りを、おやすみなさい、良い夢を」
虹色の光がベッドを覆って消えた。
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