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広場の奥には白いロウソクが輪になって飾られている。
ロウソクには願いをこめて観光客や住人が灯しているそうだ。
エーゼ夫人はロウソクを灯さなかった。
なにしろホテルマエナに泊まることが願いだったのだ。
予約いっぱいで取れなかったのが、それこそ念願叶ってだった。
エーゼ夫人はゆっくりと寺院を回り、更なる想いを馳せた。
そして再び市場をくぐる。
海辺ではないのに魚介類も多く売られている。
流通が便利な地なのだ。
だから肉も野菜もたくさん売られていた。
白い鳥をデザインして土産屋も、いくつもあった。
せっかくだから土産を買ってみようか。
しかしエーゼ夫人は手を止めた。
思い出は夢の中だけにしよう。
そう思ったのだ。
それとも夫に土産?そんなもの必要だうろか?とも思ってしまった。
エーゼの気持ちは夫に対して冷めていたのだ。
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