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白い石畳のカフェテラスで、サーファーたちが騒ぐ波間が見える。
しかし真夏定番の通り雨が豪雨となって振り始めた。
目が開けられないほどすぶ濡れになりながら、夫と離婚話しを
している。
夫は浮気相手と別れないと言う。
「あたしが引く、別れましょう......」
その頃には金髪だったロングの髪が雨に濡れて重たくなっていた。
それから三番目の夫と結婚した。
海へと続く大きな川のほとりの家に住んだ。
「いつか海辺の家に住みたい」と、エーゼ夫人が言うと、優しく
微笑んで「叶えてあげる」と、言ってくれた。
しかし一年後に難病で亡くなってしまった。
川の水よりも多く涙を流した。
そしていま、四番目の夫。
仕事の出張ばかりで家にほとんどいない。
「いつか海辺の家で暮らそう」という願いを叶える為に働いている。
しかしその夢は数年経っても実現していない。
誰も海に連れていってくれない。
海辺の家に住みたいという夢が、なかなか叶わない。
そして誰もそばにいてくれない。
しびれを切らしたエーゼ夫人は、海辺の夢をみたくなったのだ。
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