ホテルマエナでフカフカの眠りを！

「なによ、なんなの？思い出したくない過去ばかり！」

エーゼ夫人が混乱しているうちに場面が切り替わった。

「エーゼ、カニだよカニ！」

最初の夫が下腹を揺らしながら海へと出てきた。

その手にしたカニを顔にあてられる！

「冗談じゃないわ！」

エーゼ夫人がデッキチェアーから立ち上がり、カニを避けた。

「そんなものぶつけてこないで！離婚するわよ！」

夫は長い足を上下に動かすカニを片手に持って困惑した。

「カニくらいで離婚はおかしいだろ、これ、自分で取ったんだ、
すごいだろ？しかも食べられるから、ホテルの料理長に渡すんだ」

「カニ料理......」

実際に、夕食はカニピラフを始め、カニ味噌もカニスープも食べた。
とてもおいしかった。
そうして新婚旅行を平穏に続いた。

楽しそうに泳ぐ夫、ストローの巻かれたトロピカルジュース。
おいしい海鮮料理の数々。

二人は無事に旅行を終えて帰国した。