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社内の合同会議を終えて、やっと自分の部署に戻ってこれた。時計をみるともう夕方だ。見晴らしのいいオフィスビルの窓からは、西日が眩しく差し込んできている。 「だだいま~」 「おかえり黒木(くろき)。長時間で疲れたろ?ちょっと休憩しろ」 「おかえり黒木ちゃん。給湯コーナーのコーヒーが補充されてるから、好きに飲んでね」 「にしても予定時間オーバーだろ。主催した部署には俺から文句言っといてやるよ」 「ありがとうございます~」 ゆるくそう言いながら自分の席に腰を下ろして息をついたところで、横の席からシャリシャリと涼し気な音が聞こえてくる。 「あっ?ちょっと黒田(くろだ)くん?なに食べてんのよっ?」 「かき氷ですけど?残暑とは言え、まだまだ蒸し暑いので嬉しいですねぇ」 マイペースに定評がある後輩の黒田くんが満面の笑みで答えたので、思わず頭を抱えた。 「自由すぎるでしょっ!お菓子つまむくらいならいいけど、デスクでかき氷って!」 「さっき休憩がてらに一階の売店まで行ったら、くじ引きを実施してましてね」 「会社の売店でクジやってんの?」 「当たっちゃったわけですよ」 「景品にかき氷があるの?」 「年末はおでんの卵なんかがありましたけど」 「売店も自由だね」 「夏におでんが当たったら目も当てられませんが。いやあステキなスイーツなんて嬉しいです」 爽やかな水色のシロップの、やたら美味しそうなかき氷に思わず唾を飲んでしまう。 「一口食べます?」 「食べるっ」 予備なのか新品のスプーンを手渡された私は、それを水色の山へ突っ込んだ。口に含んでみると……あら?さっぱりしてて意外とイケる。
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