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まず昼ごはんを食べていなかったわたし達は、評判のワゴンで長蛇の列ができているターキーレッグでも食べよう、とキャストさんに相談した。
そうしたら、なんとものの一分でそれをわたし達のところに持ってきてくれる。
パレードもショーも誰もいない特別の場所が設けられていて、最前列と同じ近さで見ることができる。
プライベートVIPツアー、最強すぎるでしょ。
日が傾き始め、この後、園は一番綺麗な時刻を迎える。夕暮れのDランドがわたしは大好きだった。
落ちてきた夕闇にDランドの灯りが融合し、あたりが幻想的な紫紺に染まる。
ほとんどの来場者がスニーカーを履いているこんな場所で、ジャケットを腕にかけた(着るのは暑くて無理らしい)健司と、ロングドレスともとれるようなフォーマルに近いワンピースを着たわたし。
シンボルのお城の前で、踊り出したい気持ちになる。
「健司、ありがとう」
「俺もびっくりだわ」
遅くに来たのにパーク内をぞんぶんに堪能したわたし達は、クラブ33に向かった。
ワールドバザールのはずれにひーっそりとある。小さい両開きのクラシックな扉の前には何も表示がない。
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