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というわけで俺はミケとチャピを再び隣のトンプソン夫婦に預け、ビジネス用のリュックひとつで成田空港に降りたっている。
ビジネスクラスを取って、しゃかりきで仕事に打ち込んでいたせいで眠いこと眠いこと。荷物検査の列を待っている間、頭が定期的にこくりこくりと落ちてくるのを自分で止める。
一颯と合流したら俺が運転するんだ、少し寝ないと、と成田空港から実家に向かうタクシーの中で爆睡した。
実家に着くと連絡してあった通り、母親のスバルを借りて一颯の宿泊しているホテルを目指す。俺の家族も驚いているし、何より一颯が仰天していた。
大学時代、試験前だっていうのに突如イギリスに行くという奇行をかます親友を必死で止めたことを思い出し、口元に笑みが浮かんでしまう。
あの時のやつの気持ちが今頃わかったよ。
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