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古びた骨董品店「時の砂」を営む、見た目は二十代前半の美しい女性、エリザベート。
しかし、実は数百年の時を生きる吸血鬼だった。
悠久の時の中で、彼女は一つの奇妙な趣味を持つようになっていた。
それは、砂時計を集めること。
彼女にとって、砂時計は有限の時間を象徴する存在だった。
エリザベートは、世界中を旅し、様々な砂時計を収集していた。
砂時計の中に閉じ込められた砂は、彼女にとって、人間たちが無意識に浪費している貴重な時間を表していた。
彼女は、その砂を眺めながら、人間の儚ささと、自身の孤独を噛み締めていた。
ある日、エリザベートは、不思議な砂時計を手に入れる。
それは、砂が落ちる度に時間を巻き戻すことができる砂時計だった。
彼女は、この砂時計を使って、過去の過ちを償いたいと願うようになる。
しかし、過去を改変することは、新たなパラドックスを生み出す可能性がある。
エリザベートは、葛藤しながらも、砂時計を使う決意をする。
過去に戻ったエリザベートは、一人の青年、翔と出会う。
翔は、時計技師を目指しており、時間を大切にする心優しい青年だった。
エリザベートは、翔に惹かれながらも、自身の正体を隠さなければならない苦悩を抱える。
翔もまた、エリザベートに特別な感情を抱くようになる。
しかし、彼は、彼女が何かを隠していることを感じていた。
ある日、翔は、エリザベートの秘密を知ってしまう。
彼は、彼女が吸血鬼であること、そして、過去を改変しようとしていることを知る。
翔は、驚きと恐怖を感じながらも、エリザベートへの想いは変わらなかった。
エリザベートは、翔に全てを打ち明け、過去を改変する計画を話す。
翔は、彼女の計画に反対するが、エリザベートの決意は固かった。
エリザベートは、砂時計を使い、過去を改変する。
しかし、それは、彼女が望んだ結果をもたらさなかった。
過去を変えたことで、新たな悲劇が生まれてしまったのだ。
エリザベートは、自分の愚かさを悔やみ、絶望する。
しかし、翔は、そんな彼女を優しく抱きしめる。
「エリザベート、過去は変えられないかもしれない。
でも、未来は変えられる。
僕と一緒に、新しい未来を歩もう」
エリザベートは、翔の言葉に救われ、再び生きる希望を見出す。
彼女は、砂時計を捨て、翔と共に、未来へと歩み始める。
二人の前には、どんな未来が待ち受けているのだろうか。
それは、誰にも分からない。
しかし、彼らは、共に支え合いながら、未来を切り開いていくことだろう。
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