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静かな山奥に、ポツンと佇む一軒の古びた山小屋。
都会の喧騒から逃れてやってきた若者が、この山小屋で数日間寝泊まりして楽しんでいた。
突然見舞われた嵐の夜、激しい雨音と共に、見知らぬ男が山小屋を訪れる。
男はびしょ濡れで、憔悴しきっていた。
拓也は男を招き入れ、暖を取り、食事を共にした。
男は、山で道に迷ってしまったと説明した。
しかし、彼の様子はどこか不自然で、疑念を抱く。
彼は、時折意味深な言葉を呟き、窓の外を不安げに見つめていた。
翌朝、嵐は過ぎ去り、山は静けさを取り戻していた。
2人は共に山を下りることにした。
しかし、山道を歩いている途中、彼は突然立ち止まり、見つめてきた。
「実は…」
自分は未来から来たタイムトラベラーだと告白した。
彼は、未来に起こる大災害を知らせるために、過去に戻ってきたのだという。
そして、その鍵を握るのが、この山にあるという。
半信半疑ながらも、彼と共に山を探索する。
すると、彼らは、古びた祠を発見する。
祠の中には、不思議な光を放つ石があった。
「これだ!」
石に触れると、彼は突然光に包まれた。
そして、次の瞬間、消えてしまったのだった。
一体何が起こったのかわからず立ち尽くしてしまう。
そして石を手に取り、山小屋へと戻った。
数日後、ニュースで驚くべき事実を知る。
未来で起こるはずだった大災害が、未然に防がれたのだ。
未来から来た男の言葉が真実だったことを悟り、彼が未来を変えたことに、安堵と寂しさが入り混じった複雑な感情を抱く。
彼の心には、あの山と、そして未来から来た男との出会いが深く刻まれていた。
時々あの山を思い出し、いつかまた訪れたいと思う。
もしかしたら、そこで再び、未来からの来訪者と出会えるかもしれないと。
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