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翌朝、響が家まで迎えにきた。
「一緒に学校行こ!」
「いいけど、俺の家まで来ると遠回りになるでしょ? 中間地点で待ち合わせすれば良かったのに」
「俺が少しでも千晶と一緒にいたいからこれがいい」
眩しいほどの爽やかな笑顔を向けられた。少しドキッとしてしまった。
学校に着くと靴箱に紙がいっぱい入っていた。
『別れろ』『おめでとう』『幸せになってね』『夜道は背後に気を付けな』『響くんと付き合いたい』などなど。
教室に入ってからも昨日の告白で話題はもちきり。
「ねぇ響、何でこんなに広まってるの?」
「動画撮られたりしてたし。俺としては広めてもらって嬉しいけど。堂々と千晶を口説けるし」
肩を抱かれて響の方に引き寄せられる。
歓声やら悲鳴やらが上がった。
「朝からアツアツだな」
「見せつけんなよ!」
「いいぞ、もっとやれ!」
などと仲の良いやつらがはやし立てる。
隣を見上げると響も俺を見ていた。ゆったりと優しい微笑みをくれる。1人であまーい空気を響が作り出す。またまたみんなが茶々を入れる。
あれ? もしかして俺、外堀埋められてない?
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