4人が本棚に入れています
本棚に追加
「待てって!」
「……っ…!…は、萩野君って、走るの速いんだね…、陸上部に入れば良かったのに…」
あっという間に追いつかれ腕を掴まれたところでヤス子はようやく足を止めて息を切らしながら笑って振り向いた。
「俺の事走らせるとか良い度胸してんじゃん」
「…あんた何様?」ヤス子は呆れて笑った。
「…その花束、誰かの見舞い?それともお祝い?」
ヤス子が持っている紫のヒヤシンスの花束を見て禄助は聞いたのだ。「……“ごめんなさい”」
「え?」
「ヒヤシンスの花言葉。後悔を意味するごめんなさいって意味もあるだろ?どっかに謝りに行こうとしてたのか?」
ヤス子は禄助を見てから少し俯いた。
少し経ってから「…ぷっ」とヤス子が小さく吹き出すと「参りました。ねぇ、ちょっと付き合ってよ」とヤス子は禄助に笑って言った。
最初のコメントを投稿しよう!