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李兎に誘われて一緒に食べに来ていた佐藤が「私やるから良いよ?」と慌てて言った。
さっきからずっと李兎ばかりが全員のお好み焼きを焼いていたからだ。
「やらせてやれよ。綺麗に丸くならないと嫌なんだってんだからさ」
「せっかく食べるのに汚い形では気持ち悪いだろう?」
天野は言い返してせっせとお好み焼きの形を整えている。
変なところ細かいんだから…。 と禄助と昴は思った。
「でも音庄君のお好み焼き冷めちゃうよ?」
「ご心配なく。あぁ、佐藤さん、こっちが焼けたから食べてくれ。一番上手く焼けたんだ」
「あっ、ありがとう!」
2人がやり取りしてる傍で禄助はで壁に貼られたビールを持ったグラビアアイドルのポスターをぼんやり眺めながらヤス子の話しを思い出していた。
お好み焼き屋に来る少し前の事だ。
『ちょっと付き合ってよ』
ヤス子に頼まれた禄助は黙ってヤス子の後をついてった。
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