萩野禄助の事件記録〜episode 0〜

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「ノノちゃんごめんねぇ、冬休み中なのに」 同級生の沢木ヤス子に頼まれて冬休みの間だけ女子バスケ部の臨時マネージャーをする事になり今まさに練習試合のスコアをつけていた佐藤は「大丈夫だよ、結構楽しいし!」と顔を上げて笑ってみせた。 正直言えば本当は冬休みは何にも無い時は朝から晩までコタツに入って漫画を読んだり撮り溜めしていたドラマや映画を観たり、たまに友達とショッピングなんかしてまったり過ごしていたかった。少なくとも去年まではずっとそうして過ごしていたのだが今年は違った。友達は皆予定が入り遊べなくなった。 どうせバイトだってする気もなければ塾にも通う気もない佐藤だけは皆と違い何にもする事が無い。つまり暇だ。 ずっと家の中に篭ってるのも悪くないと思ったが そうすると今度は「ずっとごろごろしてないで家の手伝いでもしたらどうなの?」と同じ家に住んでいるガミゴンが口の中から火を噴き出して来るのでヤス子からの頼み事は佐藤にとってちょうど良かった。それに運動するのは嫌いだがスポーツ観戦は嫌いじゃないのだ。
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