萩野禄助の事件記録〜episode 0〜

23/34
前へ
/34ページ
次へ
『萩野君達さ、白沢さんの事どこまで知ってる?』 『バスケが上手くて皆から人気者だった』 李兎の話しを思い出しながら禄助が言うと『そうだね』とヤス子は笑った。 『うん、その通りだよ。…だからかなぁ、寺本達ね、白沢さんにめちゃくちゃ嫉妬しちゃってさ。本当言うとね私も白沢さんを羨ましいって思う時があったんだ。でも私のは寺本達みたいな感情とは違くて、“私もいつか白沢さんに追いついてやる!”って言う憧れってやつ』 禄助は黙ってヤス子の話しを聞き続けた。 『白沢さんが来るまでは寺本達が白沢さんと同じ場所に居たの。“凄いね!”、“さすがだね!”、“敵わないよ!”って皆に憧れられててね。だけど白沢さんが来て立場が逆転した…』 ヤス子の目が悲しみのような暗い色に染まった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加