萩野禄助の事件記録〜episode 0〜

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『……これはさすがに本当か分からないんだ。もしかしたら崖の下に落ちた時に頭をぶつけたせいで錯覚を見ちゃっただけかもって白沢さんのお母さんも私も今だにそう思ってるんだけど……、白沢さんね、自殺する2日前くらいに お母さんにこんな事言ってたんだって』 ー“知らない人達が遠くの方で一生懸命になって人を埋めてた”って……。ー …………ーーーあれは本当なんだろうか?もしも本当にそうだったとしたら誰が誰を何のためにそんな事を? 「ロクちゃん、お好み焼き出来たよ!」 皿の上に乗っかった焼き立てのお好み焼きを渡されて ようやく禄助は はっ と我に返った。 「貴方そんなにあの人好みなんですか?」ずっとポスターを見ていたからそう勘違いしたのだ。天野に「違ぇわい!」と萩野は怒鳴った。 「なら何か考え事でもしていたのかね?」 「……なんでもねぇ」 李兎に聞かれて首を横に振ると禄助は静かにお好み焼きを食べ始めた。
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