4人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっちゃん達の試合観るの楽しいよ。…それにしてもやっぱり皆背高いよね、羨ましい〜!」
「ノノちゃん小っちゃいもんね」
「やっちゃん?」
「あははっ、褒めてんだよ!うちらから見たらさ逆にノノちゃんくらいの身長が羨ましいなって思う事結構あるからさ」
「そう?」
「そうだよ。だってさ小さいと棚上にある本とか取れない時、男子に取ってもらえたりするじゃん?この間図書室で授業だった時、ノノちゃん、音庄君に本取ってもらってたじゃん。私は背高いから何でも自分で取れちゃうからああいうの見ると良いなぁって思ったりするんだよね。それに……せっかく同じクラスになれたのにさ…」
「えっ、同じクラス?」
「あっ!ううん、何でもないっ!」
“音庄君に本取ってもらってたじゃん”、まさか やっちゃんが同じクラスになれて良かったって言ってたの“音庄君と”って事?
音庄は萩野の親友だが性格は正反対で穏やかで優しいから女子から大変よくモテる。
ヤス子を見上げるとヤス子は黙って何か考えているようだった。佐藤は早とちりしても迷惑がられるだけだしなぁと思い聞き返すのをやめて目の前で「パスパス!」と試合している子達の方を見つめた。
ー午前の試合が終わってからもマネージャーのやる事が終わるわけではないので選手達がお弁当を食べてる間に佐藤は皆のボトルにスポーツドリンクの補充をするため少し体育館を離れた。
スポーツドリンクの粉末がちょっとばかし足りなかったのでバスケ部顧問の奥平先生の所に行こうと思ったからだ。
「一緒に行こうか?」てヤス子が気を利かせて来たがバスケ部の部長で人一倍体力を使ったヤス子には午後の試合までに出来るだけ身体を休めて欲しかったので佐藤はヤス子の気遣いをやんわり断った。
最初のコメントを投稿しよう!