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「ねぇ、やっぱり嘘だったんだって、白沢さんの話し」
「白沢さんって女子バスケ部に居た2年生の先輩の事だっけ?」
「そうそう。ほらずっと学校来てないとか先輩達が言ってた…」
女子バスケ部と同じ体育館で練習していた女子バレー部の1年生の女の子達が話しながら階段を降りて来たようだった。
「何の話しかな?」
佐藤が声のする方を覗こうとした瞬間、禄助は佐藤の肩を抱くと階段近くのたまたま空いていた教室に無理矢理押し込んだ。もちろん禄助も一緒にその部屋に隠れた。
「ちょっ、ちょっと何急に!?」
「しっ。黙ってな」
禄助は煩い佐藤の口を手で塞いだ。
「原因ってなんだったの?」
「あー、なんか先輩達が言うには付き合ってた彼氏と別れたからとか、友達と喧嘩したとか、なんか色々言ってたかはよく分かんないや。でも詳しくは分からないけどその先輩、自宅の自室で死んでた…とかなんとかって…」
「えっ!?自殺したの!?マジ!?」
「う〜ん、噂だから分かんないけどね」
女の子達の声がだんだん遠くなっていった。
そろ〜りと教室から2人揃って顔を出すと「何してんの?」と元気な声が背後からしたので2人は「わっ!」と思い切り肩を跳ね上がらせた。
「ちょっと化け物に出くわしたみたいに驚かないでよっ!!」
ヤス子はふくれっ面になって言い返した。
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