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「あっ、あっ、ひぁ……ッ、あぁっ、やめ、あぁあ……っ!」
背後から覆い被さるギディオンが、シリルの細い腰を掴んで何度も何度も奥を激しく穿つ。
最初こそ恐怖と拒絶にまみれた悲鳴を上げていたシリルだったが、体の中を欲望にたぎった怒張で開かれていく快感にすっかり屈服し、今では甘い喘ぎに形ばかりの抗いの言葉を時折挟むだけだった。
「ふふっ、やめてなんて心にもないことを言って、可愛い強がりだね」
耳元で熱い吐息を吹きかけながら囁くと、シリルは反射的に耳をぺたりと後ろに倒した。
その素直な反応にギディオンはますます機嫌をよくして唇の端を持ち上げた。
「シリルは本当に嘘が下手だね。表情も、声も、耳も、尻尾も、みんな正直だ。……あと、体のナカも、ね」
「あぁあ……っ!」
ひときわ強く奥を突かれ、腰から背筋にかけて甘い痺れが走る。それと同時に、シリルの小ぶりなものから蜜が勢いよく溢れ出た。
シリルのそれは少し前から、精液を出し切ったためか、それともオスとしての尊厳を失ってしまったのか、透明なものしか出てこなくなった。
しかし、そんなことどうでもよくなるくらいに、シリルの頭は体の奥を穿たれる快楽に染まりきっていた。
「少し疲れたかな。シリルは引きこもりだから体力ないもんね。ちょっと休憩にしよう」
ギディオンはずるりと自身のものを引き抜くと、シリルの腰をそっとベッドの上に降ろした。
ぐったりとうつ伏せのまま横たわるシリルだが、太腿や窄まり付近は絶頂の余韻にピクピクと甘く引き攣っている。
そんな卑猥な肌に、窄まりから精液がぬらりと垂れ落ちる。
ギディオンはその光景を見下ろしながら、うっとりと舌舐めずりした。
「……僕のせいですっかり疲れさせちゃったみたいだね。ごめんね。シリルが可愛いせいで歯止めがきかなくなっちゃた。お詫びにマッサージしてあげる」
そう言うと、ギディオンは包み込むようにシリルの腰に両手を添え、ぐりぐりと親指の腹で尻尾の根本を掻き撫でた。
「ひぁ……っ!」
猫にとって過敏な場所を無遠慮に触られ、思わず驚きの声を上げた。しかし驚きは一瞬のことで、すぐに悩ましい感覚が肌の底から湧き上がって甘い目眩を覚えた。
「ふっ、あぁ、ン、あ、あ……っ」
ギディオンの指の動きに翻弄されるように甘い声を漏らすが、内心、もどかしさを感じていた。
気持ちがいいことに変わりはないが、先ほどまで激しくナカを打ちつけられていたシリルには物足りなかった。
だからといって、欲望のままに淫らな望みを口にするのは躊躇われた。
決して絶頂へはたどり着かないこのもどかしい快楽をどうやり過ごすべきか考えていたシリルだったが、体は正直だった。
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