喫茶なまくび

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 首里がSNSに載せるために生首ソフトやら、百パーセント生首ジュースやら、恐ろしげなメニューをせっせと作り出している。 「これを機に固定客が出来るかもしれないでしょ!」  このままでは、完全にキワモノ喫茶になってしまう。熱量をもっと違う形で発揮してもらいたいものだと思いながら食器類を食洗機に突っ込むと、ドアベルが鳴った。 「いらっしゃいませー……」 「すみません! 殺人鬼から逃げて来たんです。かくまってくれませんか?」 「は?」  何の冗談だと目が点になる。  男は水色の長袖シャツにベージュのチノパン姿だが、異様なほど葉や泥で汚れていた。それに、血糊で汚しているのか首元から胸にかけてぐっしょりと赤く染まっていた。  瞬時に、この辺りで『渓流釣りをしていたら溺れて流れかけました』という危ない動画が拡散されて騒動になったことを思い出す。 「ドッキリ動画でも撮ってるんですか? 他のお客様にご迷惑なので、お引き取りを……」  そう言いかけた時、男の首が磨き上げたタイルの床にゴロリと転がった。 「う、うぎゃあーーーー!!!」
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