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「どうだったかなあ。黒いウィンドブレーカーのフードをかぶってたし、あまり特徴らしいものは何も。背はそんなに高くなかった気がするけど」
首里は、「このくらいかな」と、頭の上に手をかざした。
「百七十センチくらいか?」
「厚底のスニーカーをはいてたから、もう少し低いかも」
「……ホクロ、ありました」
生首が低い声で呟いた。
「えっ、本当か?」
「ホクロ野郎が犯人ってことか? でも、あんた男、だよなあ?」
窪田が困惑した様に言う。
「僕が小柄で、警戒心ゼロだったからヤレると思ったのかも」
私の失言に腹を立てていたとしたら、しっかり謝るべきだったかもしれない。
ドアの前に立ったままの胴体が窓から差し込む光の中でゆらりと動いた様に見えた。
「アイツは悪魔ですよ。被害者は僕だけじゃないはずだ」
ナンパ目的でなはく、殺人目的で声をかけられた女性達がどんな目にあったのか、想像するだけで吐き気がした。
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