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「この間までいた、メガネの中級幹部はどうした?」
指令官は、残った低級幹部の野口に問う。
「3日前に戦死いたしました」
野口が残念そうに答えた。
司令官は渋い表情で考え込む。
今回も、戦力の消耗が早すぎる。このままでは、次回の人員補充まで戦線の維持が難しい。
なぜだろう? 集めても集めても、いつの間にか戦力がいなくなる。
「司令官。友軍にお願いして、人員を借りてくるのはいかがでしょう?」
野口は意見具申する。
「ダメだ。友軍から戦闘員を借りだしたりしたら、他の軍との関係が悪化する心配がある」
司令官は却下した。
「では、とっておきのカードを切るべきではありませんか?」
「バカ者! 先月それをしたばかりに、今月の戦線維持が困難になっているのだ。今回はその手は使えない」
「では、戦力が補充されるまでの1週間、どうなさるおつもりですか?」
「何とかして戦力を集める。それまで1週間、キミたちで何とか耐えてくれ」
司令官は、たった二人になった低級幹部の野口たちに懇願した。
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