きみを呼ぶ

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───ねえ、スミはさ、もしも自分のいる星を壊せるとしたらどうする? いつの日か、屋上で寝そべったセナが、なんでもないことのように尋ねてきた言葉だ。 私も私で、昔そんな感じの夢を見たことがあったしそういう映画を見るのも好きだったから、わりと乗り気で話に食いついていた。 「ええ、それって地球ってこと?」 「いや。地球以外の星にいれば、その星が消せる。例えば地球に隕石が迫ってたとして、それに触れさえすれば星の存在ごとなかったことにして消せるんだ」 「それ、でも、自分も死んじゃわない?」 「死ぬっていうか、無くなる。星の存在を消すのに、自分も巻き込まれるっていうのかな」 「えっ、命がけじゃん!絶対やだ」 「……うん」 "スミはそう言うって思ってた。" "保守的って言いたいの?" "自分を守り抜く強さがあるって、褒めてるんだよ。" そんな言葉を交わしながら、セナはいつもと変わらない様子で笑っていて、 でも思い返せばセナは、いつもふっと風が吹いたら消えちゃいそうなくらい、優しく透明に笑うひとだった。 『番組の途中ですが、緊急速報です。先日分裂を起こしていた、地球の××光年先に位置する___星ですが、本日MASAが緊急会見を開いた際に「このままの軌道では日本に墜落する」という声明を発表しました』 スマホのアラート、該当テレビ、建物内の緊急アナウンス。 ありとあらゆる情報伝達ツールが、見たこともないくらいの爆音や鬼気迫る声を響かせていた。 友達も先生も家族も、とにかくみんな混乱して、その喧騒は次第に畏怖へと変わって。 みんな、みんな、普通ではなくなっていた。 「───セナ、」 なんとか絞り出した声でそう呼んだセナは、私の頬を、そっと両手で包み込んでから。 「……大丈夫だよ、スミ」 やっぱりいつも通り、消えてしまいそうに、笑っていた。 ……ただ一つ、今までと違ったのは、
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