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第6球 プロ妹
「ただいまー」
「お帰りなさいませ、おにいさま」
玄関で正座して待っていたのは、2コ下の妹、志良堂 海。
「どうしたの、海? こんなところで……」
「私の調査によりますと、おにいさまに高校でのご友人はおりません」
「うっ……」
手帳を取り出して、すらすらと読み始めた。
中学校には雑草級と呼ばれる最低辺の同志たちがいた。だけど、僕たち雑草は群れることすら恐ろしくて、最低限の会話しかできなかった。なぜ僕に友達がいないかを海が知っているかというと……。
「友達の姉が数人ほど九家学院に通っているので、情報がすぐに入ってくるのです」
そう、僕とは違って妹は美人で成績優秀、運動神経も抜群で人当たりもいい。いわゆる中学校でトップに君臨している完璧すぎる妹。
人脈も広いため、僕なんかが想像するよりはるかに色んな情報が妹の耳に入ってくるのだろう。
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