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「最新の情報では天花寺先輩のまわりに男子の陰があると聞いています」
ぱたんと手帳を閉じて、僕をじっと見つめた。
「ずばり、おにいさまは天花寺先輩とお付き合いをしているのではと」
「ないないない、それは絶対あり得ない」
「ですよね、私としたことが。こんなミジンコ以下の根性しかない兄があの天花寺先輩の視界に入ることすら許されないのに……夢でも出来すぎな話でした」
「おーい、それは、いくらなんでもひどいと思う」
「では、友人とはどなたでしょうか?」
「それは……」
いちおう明日から天花寺さんを呼び捨てで、かつ敬語も使わないって約束したし、友人と言っていいのだろうか? いや、本人が良くても学園生活がそれを許してくれないだろう。なら、部活の話をすれば……。
「では、天花寺先輩の他にも学院四天王がいる野球部のコーチを頼まれたと?」
「うん」
「待ってください……ありました。桜木茉地、身長177センチ。素行は悪いものの成績優秀、スポーツ万能、金髪で美人、Eカップ、彼氏なし」
おいおい、そんな情報どこから手に入れたんだ? 桜木さんって成績いいんだ。なんか意外……。いやいや最後ら辺に調べちゃいけないワードが含まれていたような。
「いいでしょう、それでは、おにいさま」
「はい」
妹から指令が下された。
それは……。
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