第6球 プロ妹

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「四天王のふたりの内、どちらかの連絡先をゲットしてきてください」 「はい……え? はい~~~~ぃっ?」  成功する可能性ゼロのミッションインポッシブル。  どこかの国の大統領を暗殺するより僕には困難な内容かも! 「ふたりを可愛いと思いますか?」 「え……それはやはり四天王というだけあって美人だし」 「では、どちらが好きですか?」  どっちが好きかって?  それは天花寺月かな。でも、彼女と付き合おうだなんて、雑草扱いされている僕にはとてもではないが無理な話だ。友達になれたってだけで、80歳になっても子や孫に自慢できると思う。 「よくわからない」 「おにいさま、よく聞いてください!」 「か、顔が近いよ、海……」  妹がぐっと顔を近づけてくるので、思わず仰け反る兄。 「相手と見つめ合うだけが愛ではありません」 「え?」  海は、玄関近くにある階段を数段のぼり、高いところから言い放った。 「ともに同じ方向を見つめることこそが本当の愛なんです」  うーん、なかなか名言チック。  だけど、たぶん、漫画かなんかの受け売りだろう……。  ──でも、まあ、覚えておこうかな。
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