第6球 プロ妹

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「なるほど、それはいいかもしれん」 「でしょ?」  え……どういうこと?  てっきり、あんなに打ち込んでいた野球をやめてコーチをやっていることを批判されると思っていたのに。雷闇は納得した顔をしていて、月はちょっと得意げな表情をしている。僕にはどういう状況なのか全然理解できない。 「太陽、俺はずっとお前を待ってる」 「そんな俺なんかが……」  雷闇は僕の返事を待たずに背を向け、片付けを始めているチームメイトのところに戻っていった。 「月、今の話って何だったの?」 「さあ? 太陽もそのうち自分でわかるんじゃないかな」 「ちょっと待てぇぇーッ、そこッ!」  月に質問したけど、はぐらかされてしまった。  間髪入れずに火華が月と僕の間に割って入って、下から睨め付けながら低い声で威嚇された。 「お前、昨夜、月に変なことしてないだろうな?」 「そっそんな、とんでもない!」 「四天王に対して馴れ馴れしいぞ、この変態、助平、変質者め!」  ひどい。  敬語禁止って言われたから、これでも頑張っているのに……。 「火華、実はね……」  月が火華に事情を説明した。  彼女の顔は赤くなったり、青くなったりと見ていて心配になってきた。 「……じゃあ」  顔を下に向けて両手を握りしめ、聞き取れない声でつぶやいた火華は、次の瞬間、急に顔を上げて僕を睨みつけて叫んだ。 「私のことも火華って呼べよッ!?」
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