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ヤンキーだけど、すごく美人だ。
切れ長の目が見下すように顎をあげて僕を見下ろしている。
顔の各パーツはまるで芸術品のようで、四天王のひとりに数えられるのも納得できる。って、そんなことを考えている場合じゃなかった。
「志良堂太陽、野球部のコーチになってもらう予定です」
「コーチ? こんな小動物みたいな生き物が?」
これほど遠慮のない視線もめずらしい。つま先から頭のてっぺんまでじっくり観察されて、眉を歪めたまま鼻で「ふっ」と笑われた。いや、普通に傷つくから僕のことはそっとしておいてほしい。
「まあ、雄じゃない奴に興味はない」
もう興味を失ったのか、桜木茉地は天花寺さんの方に向き直り、ジャンケンで先攻後攻を決めた。
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