恋風

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 元々ひとりなのに、ひとりだと寂しい。  ひとりぼっちじゃないのに寂しい。  遠くへ行ってしまった僕の半身のような人を思うと、なお寂しい。  僕と僕の大切な人が出会った時、 僕らの間にやらかな風が吹いた。  藤色に色付いた優しい心地が僕らを包んだ。  そうしてふたりの時間が動き出した。  ふたりでひとつのような僕らはどごまでも自由。  不完全だった翼か完全になって、 僕らはどこへだって飛んでいけると思った。  そうしたら、歪だった心がまあるくなった。  三日月のような僕の大切な人は、 僕のことを太陽みたいだという。  だから僕は、大切な人がずっと笑っていられるように、 ずっと隣で照らしつづけたかった。  最愛なる君、  僕の光は届いていますか。  いつだって僕はここで、  君の幸せを願っています。  ーーあゝ、僕はなんて臆病なのだろう。
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