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初めてにしては上手なその手つきに、さっきまで誘導していたはずの余裕はなくなっていた。
俺の下で下半身を口に含まれ快感に震えていた彼が、すでに自分で解して柔らかい俺の後ろを指でしっとりと奥まで抜きさしし、ローションを足して響くその卑猥な音に興奮しているのは明らかだった。
俺の名前を呼び、我慢できないと自分自身の猛ったそれを挿入すると、勢いよく動かしだした。
「はっ、ちょ、ちょっと待ってっ、速いから!まだゆっくりっ・・・。」
「あっ、すみません、俺、すみません。」
我に返った彼は、はっきりとハの字を描くその眉のせいで泣きそうに見えた。
申し訳ないと律動も止まり、動きたいと熱く硬いそれが俺の中で震えている。
「謝らなくていいから、動いて。でもまだゆっくり動いて。」
そう言って眉を撫でてやると、軽くキスをしてきて、俺の顔を見ながら腰を打ち付け始めた。
その優しいリズムは彼そのもののようで、こんなに激しくいやらしいことをしているのに、心は穏やかだった。
「んっ!あぁっ!やっ、そこっ!あっ、あっ、あっ・・・・」
突かれる度に震えて強く背中を掴む俺に彼は嬉しくなったのか、普段のおしゃべりが出てきたのか、何度も気持ちいいかどうか確認する。
「ここですか?ここが気持ちいいんですか?」
少し右上の快感を引き出すそこに、ぎりぎり抜いては激しく突き刺すを何度も何度も繰り返した。
爪先まで震えて叫ぶ俺の口を一度きつく塞ぐと、
「言って下さい。気持ちいいって!俺のでいきたいって言って下さい!」
「あっ!やめないで!お願い!・・・もうまたイきそう・・・きもちいからやめないで、」
奥まで差し込んだまま動かない。
イきたいのにイけなくて、自分で下半身のそれを扱こうと手を伸ばすと、その手を掴まれ、口に持っていかれて指を舐められる。
「もう!動いて!早く!おねがい、」
「こんなにやらしいなんて・・・。」
そのままゆっくりと奥から手前に引き出され、ふちがヒリヒリして、もう頭がどうにかなりそうだった。
自分から飲み込もうと腰を動かすと、しっかり掴まれている腰は動きたいようには動かせなかった。
「佐藤くん、お願い、イかせて、佐藤くんのでイかせて、」
屈託のない俺の好きなあの顔で笑うと、さっきまでのリズムとは真逆で速めた律動は、俺のいいところを突くのを忘れず何度も責め立てる。
「・・・俺、もうイきそうです。このままいいですか?」
「いい、いい、いいから止まんないで!」
俺の頭を抱いたまま、彼は苦しさを解放するように腰を動かすと、俺の中に熱をほとばしらせ、吐き出した俺の白いぬめりを気にすることなく覆いかぶさってぎゅっと抱きしめると、何度も好きですと言った。
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