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電話の人
今日は月曜日。春の朝は特に眠い。春眠暁を覚えず……ああ、どうして月曜日ってあるんだろう。
学校時代からほんとうに苦手。だから、月曜始まりのカレンダーは嫌い。私は日曜始まりが好き。窓の外を見ると晴れてまぶしい。そのせいか、眠いが気分はいい。
目の前の電話のボタンが赤く輝いている。仙台支店ということがわかった。それなら、もしかするとあの人からかもしれない。
私は眠い目をこすりながら、急いで取った。
「はい、人事の川村です」
「……なんだ、眠そうな声だな」
「あ、やっぱり並木さんだった……おはようございます……」
「川村さんともあろう人が月曜朝からそんなに眠そうなんて、もしかして昨日はデートか?」
「並木さんじゃあるまいし、違いますよ。ちょっと遅くまでいろいろ見てたら眠くなっちゃって……」
「ふーん。あ、そうだ。この間は仮払旅費申請の件、本当に助かったよ」
「きちんと入金されてました?」
「ああ、あれが入ってなかったら、とてもじゃないが九州出張四日間はきつかったよ。取引先に回る予定もあったからね」
「本当に間に合ってよかったです」
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