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「ああ、お疲れ様。篠田も君に感謝してたよ。仙台銘菓を君に送りたいと言ってたぞ。その代わり、今後は君担当でという約束でね」
「付け届けはご遠慮しております。下さるんでしたら、是非とも内緒でお願いします」
「あはは、でも篠田の気持ちもわかる。賄賂を渡しても君だけに頼みたいよ」
「今後はこんなことありません。絶対です」
「そう願いたいね。本当になんだったんだろう。君の後輩君はここだけの話ひどいな」
「申し訳ありませんでした」
「なんで君が謝る?なぜ彼女は謝らない?」
「……すみません。私のチェックが甘かったんです。指導員として反省しています」
北野さんの指導員だというのも本当に恥ずかしい。彼女のしりぬぐいは今や私の重要な仕事なのだ。
「あのさ、今日は新たな社宅申請の件なんだけど……」
「社宅?え、並木さん、今だって仙台で社宅ですよね?」
「君、人事なのにもしかして今日発令の異動辞令見てないのか?」
「え?今日?」
私は急いでパソコンの一斉メールのホルダーを確認した。本当だ、今日何人か異動になってる。しかも部内用の指令も出ている。ひええ、教えてもらってよかった。
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