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「そうなんだよ、俺は彼女に意地悪するのが大好きだ」
「ちなみに……私はそういう人、嫌いです」
「そう?こうやって俺と話すのが大好きだろ?仙台にいたときから、意地悪だったのは聞いて知ってるくせに……そういう俺を好きになったのは凛花だ」
「もー、なんか悔しい!」
「あはは、じゃあな、住所連絡待ってる。おやすみ凛花」
「おやすみなさい、素敵な信也さん」
「……!」
「うふふ。驚いた?信也さんも赤くなった?」
「覚えてろよ、凛花。倍にして返すからな。じゃあな」
そう言って電話が切れた。
彼に住所を連絡するとOKと可愛いスタンプが返ってきた。
週末が楽しみになった。
* * *
とうとう土曜日が来た。
今日は並木さんと初めての休日のデート。
私にしては気合を入れてお洒落をしてきた。
行先は海だった。
太陽の光が波に映り、キラキラしてとてもきれい。初夏の一番いい季節だ。
まだ転勤してきて間もない彼は、わざわざ実家へ戻って車を借りて来たと言っていた。
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