加速する気持ち

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 食事をしてから近くのショッピングモールで買い物をした。夕日を見ようと海の近くで降りて、波打ち際まで手を繋いで歩いた。  滑りそうになって、彼がぎゅっと手を握ってくれた。 「凛花、お前一緒にいると転ぶことが多いな。もしや背が小さいから頭が大きくてアンバランスなんじゃないか、ほら小さい子って頭から転ぶだろ」 「相変わらず意地悪ですね。本当に失礼な……」 「あ、凛花は少し大人で胸があるから子供じゃないか。胸から転ぶ?」 「もう、信也さんったら……変なことばかり言わないで」  彼は振り上げた私の腕をつかんで抱き寄せた。そして軽く合わせるだけのキスをした。 「やだ、こんなところで恥ずかしいです」 「何が恥ずかしいんだよ。あっちを見てみろ」  見ると暗がりの岩陰でイチャイチャ、ラブラブしているカップルが数人見えた。  ひええ、信じられない。みんな、羞恥心を海に落としてきたのかな。  二人で歩きながら、大きな流木の上に座った。  信也さんは今北野さんの取引のある部署にいる。知っているかもしれないと思い話しかけた。
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