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以前の所長室だが、ドアは壊され、センサーも作動していない。
ここまで荒れていると、手がかりはないんじゃないかとケイは思い始める。
ドアは壊されているのに反して、部屋の中は綺麗で、誰かがここだけは整えているのではないかと思える。
「何でここだけ、こんなに綺麗なんでしょう?」
「誰かがここを生活の起点にして、ここが生活の大半を担ってんだろ…」
「鋭いご考察だね♪そんな大層なことじゃないんだよね。ここしか生活できる場所がなかったってのが答え♪」
のんびりとした声に、二人は声がした方に身体を向ける。
「やぁ、久しぶり♪いや初めましての方がいいかな?ケイ、シンセイ」
「お前、ユーリか!?何で…あの時…」
「死んだのはオリジナルのユーリ。ボクはユーリのクローン。オリジナルと違うのは外見と年齢、そしてゾンビ因子を持っていること」
「ゾンビ因子?」
「自分でゾンビ化したり人間に戻ったりできるんだ。ボクしかできないことらしいけどね」
「お前を殺せば、ケイが人間に戻る手がかりが手に入りそうだな」
シンの手は腰に付けたホルスターから銃を抜く。
素早くユーリのクローンに照準を合わせる。
「どれだけキミ自身が強かろうが、ゾンビ化した臓器や身体の部位を持っていても、絶対にボクには勝てないよ」
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