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シンが目を覚ましたのは、研究所に行った日から二日経ってからだった。
ケイはずっとシンに付き添っていたが、その姿はいつものケイで、ゾンビ化は一応止まっているようだが、人間には戻れなかった。
「シン、資料は纏めてくれました?」
「もうちょい!」
「ジュライはサンプルの方はできそうですか?」
「ちょっと難しいかも。もう少し手を加えてみるよ」
ケイとシンは自宅のガレージを綺麗に片付けて、そこを一応の研究所とした。
そして研究員として、ケイとジュライ、シンは手伝いという形で落ち着いた。
因みにジュライとはクローンユーリの新しい名前である。
「ユーリは七月っていう意味なので、同じ意味でジュライってどうかな?新しい人生を始めるワケですし」
というケイの提案で、クローンユーリはジュライとして、また研究員として生活していくこととなった。
三人は"ケイと同じようにゾンビ化しても自我を持って生活している人を人間に戻す"という研究の為に忙しく動いている。
ジュライの細胞も研究したが、これで薬ができるのも果てしない未来になりそうだ。
ケイとシンが集めた情報はどれもあやふやだったが、まだ知らない情報があるから集め続けるつもりだ。
今はジュライという協力者もいる。僅かながら希望のピースが手に入った。
二人、いや三人はいいチームになるだろう。
未来は分からないが、まだ希望は失われていないのだから…。
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