エヴォス第一研究所

2/3
前へ
/14ページ
次へ
シンの車はケイと一緒に暮らし始めてから、屋根付きのバンに変えた。 ケイの身体は日光に耐えられない。 ゾンビ化した身体に日光は大火傷を負わせる熱線と同じなのだ。 「俺達、結局あいつと関係があるんだな。死んで縁が切れたと思ったんだけどな」 「僕も…。まさかゾンビになるなんて思いませんでした」 「お前の場合は完全なゾンビじゃないからな。アンデッドって奴じゃないの」 「アンデッド…」 ケイの中ではアンデッドもゾンビも変わらない気はしたが、そのことを話せばシンにゾンビ化進行のことがバレそうな気がして、言葉にしなかった。 エヴォス第一研究所。 ケイが勤めていた時よりも寂れてしまい、どうやら閉鎖されたようだった。 所長であったユーリが死んだことで研究ができなくなって、所員も全員出て行ったのだろうか。 門はガタガタに歪んでいて、入口の部分だけ雜に鎖で巻かれて南京錠が付いていたが、門と同様に錆びついていて、簡単に中に入れそうだ。 取りあえずくらいの気持ちで鎖を巻いたのだろう。 二人で錆びた鎖を外し、門扉を外すようにして門を開ける。 鎖はあっけなく取れ、門扉も簡単に外れてしまった。 どれだけ誰も立ち入らなかったか分かる。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加