屁理屈

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屁理屈

 好き。  優しくてふんわりしてるはずの『好き』って気持ち。  これがなぜだか自分にあてはめると、少し色合いを変える。  粘くて重たくて、暗い。  子どもの頃は、不思議だった。  少し大きくなって悲しくなった。  他の人の好きは、あんなにすてきな宝物みたいに見えるのに、何故自分のは違うのだろう。  成長した今はすっかり開き直った。  だからどうした。  俺の好きが重いからといって、誰に迷惑をかけている?  まあ、向けられた本人は迷惑かもしれないので、そこは少しだけでも自重するとして。  後は他に何を気にすることがあるだろう。  倫理とか規範とかモラルとか、そういうものは、後付けの社会生活を滑らかにする為の物で、気持ちを押さえつけるための物じゃないはずだ。  屁理屈なのは承知の上で。  俺は俺の好きを邁進する。  なぜなら、それが俺なので。
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