小さなテーブル

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塔の壁はまっすぐに切り立っていて、人が降りるのは難しい。 誰もいない閉じられた部屋で起きた事件。 「きっと山から塔の窓に灰皿投げ込んだんじゃない?」 ものすごくおざなりな推理ですね先輩。 そんな無茶な相づちにおおきくうなずく村長。 「人の力では無理だけど、魔法ならできるとか? 何か魔法を使ったなごりとか。調べたら分るんじゃないかって」 なるほど、だから魔女の私の所へいらしたんですね。 「うーん。時間が経ってしまうと、魔法の残滓なんてわからなくなりますから」 そもそもあの、村一番のクズ人間であるロガス氏の為の犯人捜しと思うと、どうも気合いが入らないのよね。きっとどこかで子供にむかってやらかしたセクハラに業をにやした親がガツンと……とかありそう。 「すみません。力になれなくって」 「そうだよねぇ」 村長、大きくうなづいて「まぁ、死んだわけでもないしな。犯人は見つけようが無いって村のみんなには報告するよ」 「相談料だよ」と言って、一枚の金貨、それと村で採れる果物のはいった袋を置いて、村長は帰っていった。 「面倒な相談、早く終ってよかったわね」 確かにそうかも知れないけど、ホントの事言っちゃダメですよ先輩。
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