小さなテーブル

さて、先輩とわたし、二人して、気を取り直してお茶会を始めましょう。

ひとりしか使わない食卓はとっても小さい。
その上に置いた焼きたてのアップルパイから甘くって酸っぱい香りが大きく広がる。
深呼吸するとシナモンの香りが鼻の奥までついてくる。

「小屋の中、リンゴの香りでむせそう、窓あける？」

先輩はそう言うけど、この先しばらくの間リンゴの甘いそれと付き合うのも悪くないかも。

「それって、アップルパイ食べたってバレバレになるわよ」

お客さんにバレてまずい事なんて全然無いです先輩。

でも……。