第6話 そして……

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 結局ハロルド・スティーブンスは事務所を辞め、父親の配慮で郊外の別荘に移された。  離婚の条件に関しても、ドリーの実家の希望通りにしたという。 「子供ができなくてまだ良かった、と彼女は言ってたわ」  シェリーはそう言いながら、編み針を動かす。  そう言う彼女の中には新しい命が宿っている。  ただし!  そのせいで彼女の美味しい料理がしばらくは食べられないのが辛いところだ。  メイドを雇わなくてはな、とそろそろ俺は考えている。   ハロルドが居なくなった分、俺には期待も掛けられている。  がんばらねば。  そう、子育てで彼女の料理が食べられなくなって、子供に嫉妬しないように。
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