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琴羽さんと私が、山の奥の方に入って行くと、うっそうと木々が生い茂っていて、まるで木々のトンネルの中にいるような感覚になった。
そしてさらに山の奥の方に入って行くと、生い茂っていた木々のトンネルを抜けて、白、黄、紫の花が咲いた広い花畑のような空間に出た。
ここにはいろいろな蝶が舞っていて琴羽さんが、
「綺麗な蝶がたくさん舞っているね!」
と話しかけてきた。
私はひとりではこんな山奥まで来たことがなかったけれど、今日は琴羽さんと一緒だったからここまで来ることができたのだと思った。
家の近所の裏山に、こんなに綺麗な花が咲いて、多くの蝶が舞っている場所があるとは、思ってもみなかった。
「私、ここに来たのはじめてだよ!」
私が話すと琴羽さんが、
「私もはじめてだよ!」
と教えてくれた。
私は目を凝らしてキアゲハを探したけれど、見つからなかった。
「キアゲハは、いないみたいだね!」
私が少しがっかりとした言葉を話すと琴羽さんが、
「でも、こんなに綺麗な場所を見つけることができて良かったよ!」
と私を励ますように言葉をかけてくれた。
琴羽さんと私は、大きな1本の木の下に腰を下ろして休憩した。
このとき私は、琴羽さんは夏休みでお婆さんの家に遊びに来ていることを聞いた。
そのお婆さんの家というのは、私の家から比較的近いようだった。
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