王様のお后探し

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2年の月日が経った。 「陛下、こんにちは。今日はいい染物がありますよ。」 王は……元王は城下に買い出しに来ていた。 もともと民に寄り添って生きてきた元王。 退位した後でも民からの人気は絶大であった。 「おぉ、いい品だ。しかし今の私には持ち合わせがない。いつか来た時に手にできる用、一生懸命働くとするよ。」 「そんな……良かったらこれをお持ちになってください。」 「いやいや、私はもうただの村人。しっかりと働き、稼いだ金で身の丈に合った生活をしていくよ。」 もともと高級品に執着はなかった。 元王は、自分の力で働き金を稼ぐことの難しさを知り、またそれを楽しんだ。 何でも不自由なく手に入ったときと比べ、確かに不自由ではあったが、それが世の常なのだと元王はすぐに理解した。 何もしなくても食卓に並んだ料理。 その材料を元王は背負い、重さを実感する。 「さぁ、帰ろう。」 麻袋を担ぐその肩は赤く腫れ、痛みを感じたが、今はその痛みも幸せだった。 人として生きる。 そのことを元王に実感させてくれる、そんな痛みだったから。
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