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マリアの言葉は、王の胸に刺さった。
1日、じっくりと王は自分の気持ちと向き合い、これからどうしたいのかを考えた。
そして……。
「国王を退位しようと思う。」
その翌日、思い切った決断をした。
臣下たちは猛反対。どうすれば王が思いとどまるかを必死に考え、王をあの手この手で説得した。
資料を集め、国の良さ、王がいなくなった時の国の行く末などを必死に説く者、王の好物を集め、宮廷料理人に絶品料理を作らせる者……。
必死に王に現状のすばらしさを分かってもらおうとした。
しかし、王の気持ちが変わることは無かった。
「この国は……どうするのですか、英雄の血が途絶えたら……。」
この国を案じる家臣たち。
そんな家臣たちに、王は言った。
「もう、私の『血』に執着しなくとも、この国は上手くやっていける。この国が王国であるのも、私の代で終わりにしよう。この国は『共和国』として、民によって成る国としようではないか。」
王は、この国の行く末を臣下に告げ、王宮を去ることにした。
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