ノーマンはどこ?

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ノーマンはどこ?

 私の銀色に輝く銀灰色の髪も青紫の瞳も、ローエングリン国どころかノーマンのフォルモーサス国でも見ることは無いだろう。  滅多にあるはずなど無い色合いなのだ。  これは魔族の色合いだ。  美しいとバルマンもジークも私を褒めたが、この色合いなために、私は幼い頃から何度殺されかけただろうか。  私はすぐにローブを羽織り直したが、私の魔族にも見えるだろう姿を目にした村人達はかなりざわついていた。 「あ、ちがうわ。おっぱいがおっきくない。うん、別人だ」 「うんうん。あれじゃあ、男を言いなりにできないね」 「そうか、色気があまりないからシュメラーゼル様に振られたのかぁ」  イーサンがどうして村人をバラバラに切り刻まないのかと、私はイーサンへと振り返った。イーサンは、……、村人を脅す事を放棄どころか、木に寄りかかって腹を抱えて笑っていた、とは。 「気にしないでください! あなたは誰よりも素晴らしいです!」  私の背中にぶつかって抱き締めてきたのがベイルであり、嬉しいが、彼の行為によってようやく彼とノーマンが結びついたと言ってもよい。  この押せ押せの振る舞いはノーマンとそっくりなのだ。 「もう! ベイルったら」  私は背中にベイルを付けたままエマに振り向いた。 「で、ノーマンはどこに消えたの?」 「あの、私の家を見張るって、私の家の近くで潜んでいらっしゃいます」 「まあああ。では、彼は結婚の報告で甥に会いに来て、そこでここの騒動を知って巻き込まれたってことなのね」 「え、叔父さんは結婚するの? え! どうして! えええええ! 抜け駆け? 僕はぜんぜん聞いていないです!」 「あ、ごめんなさい。結婚も私がそう思うってだけで本人から聞いてはいないから落ち着いて。この間、私は彼に頼まれて彼の恋人のペネローペ姫の救出作戦に加わったのよ。馬鹿じゃ無ければこの勢いで結婚するものでしょう。でないと身分違いの恋でずっと悩む事になるじゃない。勢いって大事なものなのよ」  そう。  勢いでキスされてその気になった私もここにいるのだし。  今後私みたいな目に他の女性を遭わせないように、あの馬鹿はさっさと結婚して家庭に納まるべきなのよ。  私の背中は静かになった。  私からは離れないが。 「どうしたの? 大好きな叔父様に恋人ができて、複雑?」 「うん。複雑。ライバルが消えてほっとした半面、それは違うんじゃないのっていうライバルに対しての怒りみたいな」 「あら、意味がわかんない」 「いいの。リジーはわかんなくて」 「もう!」  私は私の肩にあるベイルの頭をポンポンと撫でて、とりあえずノーマンと合流しましょうと仲間に言った。  敵地を監視しているって事は、彼は私達を待っているって事でもある。
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