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幼稚園の頃の記憶しかない父親。
男にもお金にも全てにだらしなかった母親に嫌気がさしたのだろう。小学校に上がる頃には家には父親以外の男しかいなかった。それもいつも違う男。
ーーー茉莉子ちゃん、こっちおいで。
他の部屋に連れて行かれてはイタズラされた。
ーーーい…嫌!
お母さんのところに逃げてもお母さんは守ってはくれなかった。
ただビール缶片手に煙草を蒸すだけだった。
当たり前の家族の形なんてなかった。
だからいつも近くの公園の遊具の影で怯えてた。大人の男が嫌いになった。だからそんな男達を手玉に取り、騙してお金をむしり取る。
復讐すると誓った。
だからセックスに心を奪われるようなことはない。
ただ冷めた目で男の恍惚の姿を見ては
毟りとった紙切れを数えて行く。
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