プロローグ

2/3
前へ
/40ページ
次へ
500e356d-2a2d-4115-b1c3-14fd988203bb マティーニを呑み干すと「サービスです」と    深い青色のカクテルを私の前に置く。 37caabc9-da4b-4253-9045-99cb0f370d5f それはそこはかとなく青く    私の魂を飲み込んで行きそうな透明、    そして白から濃い青まで      この世のものと思えない色彩が     私を異世界へと(いざな)う。 「ブルームーンというカクテルです」 「初めてかも」 「でしょう。今、私が作ったものですから」 舌と唇が軽く触れると    甘くてフルーティーでちょっとだけ苦い     味覚がパインの香りに混じる。 「美味しい」 「それは良かったです」 「でも何故ブルームーン?」 「貴女がそう見えたので」 「私が?」 その言葉は嬉しくもあり    恥ずかしくもあり         悲しかった。     
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加