12人が本棚に入れています
本棚に追加
私が10歳の春、両親は離婚して
妹の樹里は父親に引き取られ
私は母親と暮らすことになった。
それ以来、妹にも父親にも会ってない。
そして16の夏
母親は男を作って蒸発した。
だから人生ってものがどうでもよくなって
高校を辞めてプー太郎になった。
そしてその頃付き合ってた男とも別れ
風俗の世界にどっぷりと浸かった。
少しは稼げるようになったものの
心の中はいつも空っぽだった。
したいことなんて何も無かった。
これと言って趣味らしいものもなく
特技だってなかった。
空虚な空間に身体を横たえては
無駄に明るい空を眺めては
恨めしそうに睨み
曇った空から降り注ぐ雨になる。
最初のコメントを投稿しよう!